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永観堂のみかえり阿弥陀さま [TRAVEL]

11.18 永観堂3.JPG永観堂の正式名称は、「聖衆来迎山 無量寿院 禅林寺」といい、浄土宗 西山禅林寺派 に属するお寺です。
私は、このお寺の宗祖が法然聖人であるという知識を元に、法然さま亡き後に開かれた寺院かと思っていたのですがそうではなくて、千年以上も前に真言密教の道場として創建されたお寺であると今回初めて知りました。 そして、永観(ようかん)律師がご住職となられた840余年前より三論宗系の浄土教寺院となり、その後 約140年を経て 静遍(じょうへん)僧都が、法然さまの書き遺された 著 『選択本願念仏集』を批判するために再三再四読み下された結果、自らの非を覚って浄土教の教えに帰依されたことで浄土宗となって、この時、静遍さまは自身の誹謗の罪を悔いて法然さまをこのお寺の11代住職に推し、自身を12代住職とされたのだという経緯があることを知りました。

みかえりの阿弥陀さま.JPG永観堂といえば、「みかえりの阿弥陀さま」です。
初めてこの阿弥陀さま像を正面から拝した時は、「あぁ・・・、私は、阿弥陀さまからそっぽを向かれている・・・」と、何とも寂しい気持ちになりました。
そして、本堂に向かって右側横から回り込み、左肩を向かれた阿弥陀さまのお顔を正面から拝した時には、「わざわざ私の方から出向いてやって、その嫌々にそむけられた顔を見に来てやったわい!」みたいな、腹立たしく傲慢な気持ちでこの阿弥陀さまの像を眺めたという記憶があります。

永観堂の解説によると、本堂で念仏三昧の行をしておられた永観律師が御本尊の如来像の周囲を行道されていた時、不意に阿弥陀さまの像が須弥壇より下りられて、永観律師の前を先導されたそうです。
これに驚いた永観さまが呆然と立ちつくしていると、阿弥陀さまが左肩越しに振り返り、「永観、おそし」と声をかけられたとの謂われがあるのだとうかがいました。
それは、○自分より遅れる者を待つ姿 ○我が身の位置を省みる姿 ○愛や情けをかける姿 ○思いやり深く周囲を見つめる姿 ○衆生と共に正しく前進する為のリーダー的把握の振向き とのことですが・・・・・・。
しかし、何だかこれにはすんなりとは頷けない私がありました・・・、 全然、ピン!とも来ないですし・・・、 正直、私の中では「それがど~した?!」と言う感じです・・・。

そんな心の愚痴をKさんに打ち明けると、「「永観、遅し!」とは、「今すぐ来い!」との如来さまの勅命。
「立ちすくんでいるまま、信じられないままでいいから、そのまま来い! 直ちに来い!」との阿弥陀さまの御本願の勅命なのだと僕は聞かせていただいているよ」 と教えてくださり、「あぁ~、そうだった! そうだったのか!」と、突っかかっていたものが、ポトリッ と落ちて行きました。

阿弥陀さまがそっぽを向いておられたのではありませんでした・・・。 私が阿弥陀さまに対してそっぽを向いているのです。 いつも、いつも、お慈悲の勅命から目を背けて、あ~でもない、こ~でもないと計らい続けて来たのは私の方です。 それを横に置いて、「如来さんが私を拒否している!」と癇癪を起こしていたのです。

永観律師は、 「 みな人を 渡さんと思う 心こそ  極楽にゆく しるべなりけれ 」 『千載和歌集』 と詠まれました。
「みな人」は、「この私いち人なり」。 「浄土へ渡すとの御心」は、如来さまの大慈悲心であり、その御心こそが、「永観、遅し!」との言葉に現われた御本願の勅命でありました。

11.18 永観堂2.JPG

11月半ばを少し過ぎた秋の永観堂は、紅や黄に色づいて一年で一番華やいだ時期を向えております。
しかしながら、その色鮮やかな葉のすべては、やがてその彩を欠き… 散り落ちて行くでしょう。
水気を失ってシワクチャになりながらもしぶとく枝にしがみついている葉もあれば、まだ色づく前に風に吹かれて落ち行く葉もありましょう・・・。
その時期は誰にもわかりません。 わからない私だからこそ、「今すぐに来い!」との切なる願いが、もみじの葉一枚となって私に問うてくださるのです。 「今、無常の風が吹いても大丈夫か?」と
「永観、遅し! グズグスしている間はないぞ!」とは、他の誰でもない、私自身への勅命でありました。
それは、そっぽを向いている私に向かって、如来さまの方が頭を下げられての勅命でありました。

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